平成26年 新年ご挨拶

 新年明けましておめでとうございます。

 輝かしい平成26年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。

 昨年は、現政権が進める金融緩和や各種経済対策への期待から円安・株高となる、いわゆるアベノミクス効果により、国内需要が底堅く推移するなど、景気は回復に向けて着実に進展していると言われております。

 しかしながら、円安と原油価格の上昇による燃料価格の高騰、荷動きの低迷等により、我がトラック運送業界においては、事業者による懸命の経営努力もむなしく、極めて厳しい経営状況のまま推移しております。

こうした現状を少しでも打開するため、全日本トラック協会との協調により、思い切った経済・景気対策の推進、過重な自動車関係諸税の改正、更には高速道路料金等の負担軽減に向けた関連諸施策の推進等を、国に対して強く求めてまいりました。

 加えて、当業界が取り組むべき諸課題の解決に向けて、次の対策に取り組んできたところであり、本年においても引き続き一層の推進に努力してまいります。

1.安全対策について

 ドライブレコーダ、ASV装置、その他安全装置の導入等に伴う助成事業の充実を図り、設備投資を行い易い環境整備に努めてまいりました。

 ドライバーの安全に対する意識の向上等を目的とした交通安全研修会を開催したほか、トラックドライバーコンテストを開催し、運転技術の向上を図るなど事故防止への取り組みを行いました。特に、昨年のトラックドライバーコンテストでは、京都府代表として全国大会に出場された選手が、見事、準優勝に輝かれるという嬉しいニュースもありました。

 また、今年度も、繁忙期で業務が輻湊する昨年11月から本年1月末の3ヶ月間、1万570人(2,114チーム)の参加者が無事故無違反を達成すべく、「トラックセーフティラリー」に取り組んでおりますが、ラリー期間中だけでなくすべての期間において、参加者全員が継続して無事故・無違反を達成できるよう一層の努力をお願いいたします。

 

2.環境対策について

 環境基準を達成した低公害車の導入に対する補助を行うとともに、毎年11月の「エコドライブ推進月間」には、当業界の環境問題への取組を広く啓発するため、一般府民・市民向けに環境関連グッズ等の配布を行う「環境キャンペーン」を展開いたしました。

 また、環境対策委員会が主体となり、京都市左京区の銀閣寺山国有林において、京都府トラック事業青年協議会・女性経営者さつき懇話会の方々の協力の下、子供たちを含む一般市民の方々とスタッフを含めて総勢120名を超える参加により、林業体験(カエデやシデなど約60本の植樹、下草刈り、木工工作)、森の観察等を行い、豊かな自然環境を守る取組を行ったところであります。

 各事業者におかれましても、環境問題への更なる取組をお願いいたします。

 

3.労務対策について

 我々のトラック運送事業は、いわゆる「労働集約産業」であり、ドライバーの労務管理は事業の根幹に関わる重要課題であります。労働関係諸法令に抵触するような行為によって、行政からの厳しい指導や訴訟等を回避するため、折に触れて法令遵守セミナー等で周知を図ってまいります。

 また、景気の回復が見込まれる中、トラックドライバーの人材不足が深刻化しつつあります。業界の将来を見据えつつ、「大型・中型免許取得助成制度」の活用をはじめ、優秀な人材確保に努めてまいる所存であります。

 

4.適正化事業実施機関の取組について

 当業界は、平成2年の「規制緩和」により参入規制は緩和されましたが、反面、社会的規制については強化されており、近年では、平成18年「運輸安全マネジメント」の導入、平成21年「事業用自動車安全プラン2009」の導入等、安全に対する取組が強化されてまいりました。特に、一昨年4月に発生した関越自動車道でのバス事故を発端として、行政が営業用自動車の運行管理に対してより厳しい姿勢で臨むこととなり、監査の端緒として巡回指導の判定結果で監査対象事業者が選定されるなど、適正化実施機関の取組が事故を未然に防ぐ「予防措置」的に方向付けられて、より一層の法令遵守が求められております。

 その一環として、効率的・効果的な監査の実施、実効性のある処分を行うため、昨年10月から監査方針が、また11月から処分基準が改正され、悪質・重大な法令違反(点呼・定期点検の未実施・労働時間(乗務基準)等々)が見受けられる営業所に対する処分を厳格なものとし、監査を通じて確認された場合は、30日間の事業停止処分が執行される事となりました。

 昨年末に皆様にお届けしております「運輸安全マネジメントカレンダー」を、運行前・後の点呼時におけるドライバーへの的確な指導・アドバイスに活用していただき、経営者・管理者・ドライバーが一丸となって、安全意識の向上に繋げていただければ幸甚です。

 安全性評価事業(Gマーク)につきましては、京都府下において既に339事業所の認定(24年度末)が行われており、新たに28事業所が申請されております。

 また、書面化等取引の適正化、燃料サーチャージ導入に向けた対応、労働災害防止など、トラック運送事業者と荷主企業等関係者が共有し、連携して取り組むべき多くの課題があることを踏まえ、これらの課題に的確に対応するためのセミナーを開催することとしております。

 

5.公益法人制度改革に伴う組織・事業の充実について

 当協会は、平成25年4月から新たに一般社団法人として出発したところでありますが、移行時には課題整理のため一旦組織外に置いた8つの地域支部について、平成26年度からは正式に協会の内部組織となります。今後、各支部で計画される事業については、協会の新年度事業に組み込んで予算を編成し、来る3月の理事会で承認を得ることとなりますので、事業計画の策定に各支部のご協力をお願いいたします。

 今後の法人運営についても、制度改革の本旨に則って、公益法人にふさわしい役割を果たすべく、組織と事業の一層の充実を図っていく所存でありますので、会員各位の変わらぬご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。

 

 本年も、内外の情勢は引き続き不透明で、予断を許さぬ厳しい年になるものと予想されますが、関係行政機関をはじめ各位のご理解とご指導を得ながら、諸課題に迅速かつ的確に対処していく所存であります。

 会員各位のより一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げるとともに、皆様方のご健康と、本年が安全・安心で幸多い年となりますようご祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。

 

一般社団法人 京都府トラック協会

会長 金井清治