長時間労働の縮減に向けて協議会を立ち上げ

 これまで適用が猶予されていた一定時間を超える時間外労働への割増賃金率を、中小企業にも適用する労基法改正が今国会に提出され、3年後の平成31年4月からの施行が予定される中、トラック運送事業における長時間労働の縮減に向けた協議を進めるため、8月4日(火)、「トラック輸送における取引環境・労働時間改善京都府地域協議会」の第1回会合が近畿運輸局京都運輸支局で開催されました。

 この協議会は、国土交通省と厚生労働省の連携により設置されたもので、行政としては主催両省に経済産業省が加わり、学識経験者、経済団体や労働団体に、当事者であるトラック運送業界と荷主企業の代表を加えた委員で構成されています。

 当業界からは、業界団体代表として金井京都府トラック協会会長と、運送事業者の代表として(株)アースカーゴの西畑社長が出席されました。

 会議は、冒頭、森川京都労働局長からの、「運送業界の長時間労働問題は、事業者の自助努力だけでは改善できない課題であり、国交省と厚労省が協力して協議の場を設けたもの。業界の人手不足は経済に深刻な影響を与えることから、改善に向けて有意義な議論を進めたい。」との主催者代表挨拶の後、協議会の座長として久本憲夫京都大学公共政策大学院教授が選任され、続いて、労基法の一部改正に至る背景・経過と内容や、協議会の今後の運営等について事務局から説明があり、特に意見等はなく了承されました。

 意見交換の中で、金井会長からは、「業界の長年の課題について、経産局や荷主企業を含めて協議の場が設けられたことは意義深く、成果に期待したい。長時間労働の改善は運賃と密接に関連するので、荷主の理解を得ることが必要であるが、当業界としても『千載一遇のチャンス』と捉え、改善に向けて努力したい。」との意見が述べられました。

  最後に、金指近畿運輸局自動車交通部長からの、「国内物流の9割を占めるトラック運送事業を持続可能なものとするためにも、業界の現状を広く知らしめることが重要。次回以降の協議を通じて具体の改善につなげたい。」との閉会挨拶で第1回協議会を終了しました。