緊急警報  トラック運転者の荷役災害が急増中!

陸貨災防発第149号

平成26年8月7日

陸上貨物運送事業労働災害防止協会

各都道府県支部支部長殿

 

陸上貨物運送事業労働災害防止協会

会長川合正矩

(公印省略)

 

労働災害のない職場作りに向けた緊急要請について

 

 このほど、別添のとおり、平成26年8月5日付け基安発0805第1号により厚生労働省労働基準局安全衛生部長から本職あて標記の緊急要請(以下「厚生労働省緊急要請」という。)がありました。

 この要請は、平成26年1月~6月末現在の労働災害発生状況(速報値)において、全産業の死亡者数が対前年比19.4%の大幅な増加、休業日以上の死傷者数も対前年比3.6%の増加となり、今後、経済活動が一層の活発化が予想される中で、極めて憂慮されることを受け、労働災害防止団体に対し取組の強化を求めたものです。

 ちなみに、6月末現在における陸運業における労働災害による死亡者数は55人で前年同期比61.8%と激増しており、また昨年まで4年連続で増加した死傷者数は、前年同期に比べ5.1%増と依然として増加傾向が続いています。

 厚生労働省要請では、各事業者として、労働災害による犠牲者をこれ以上出さないという強い決意のもと、企業の安全衛生活動の総点検を求めるとともに、関係者が一体となった次の取組の徹底を求めています。

 

1安全衛生活動の総点検の実施

2安全の担当者(安全衛生推進者等)の配置等安全管理体制の充実

3雇入れ時教育の徹底

 

さらに、陸上貨物運送事業においては次の周知・啓発の取組も求められています。

1荷役作業における「トラックからの墜落災害」の防止

2「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」の周知・徹底(自主点検の実施等)

 

 ついては、陸運業の労働災害の増加に対応した労働災害防止対策の一層の徹底を図るため、下記の取組を行うことといたしますので、各支部におかれてもそれぞれ必要な取組をいただくようお願いいたします。

 

 

1厚生労働省緊急要請の周知

 厚生労働省要請について本部では、「陸運と安全衛生」、「陸災防ホームページ」、メールマガジン等により周知を図ることとしている。

 各支部におかれても、都道府県トラック協会とも連携を図りながら、広報誌、ホームページ等により、厚生労働省要請について会員事業場に周知を図ること。

 

2総点検の実施

 厚生労働省では、別途作成する「職場の安全衛生自主点検表」により、陸運事業場を対象とした安全衛生の取組の点検を各都道府県労働局を通じて行うこととしている。

 各支部におかれましては、会員事業場に労働局から自主点検の依頼があった際には協力をするよう周知を図ること。

なお、陸災防においても、自主点検を実施することとしており、別途連絡する。

 

3トラックからの墜落災害防止についての啓発

 荷役災害の最も多くを占める「トラックからの墜落災害」を重点として、その危険性と安全な作業等の啓発を行う必要がある。

 このため、別添の「緊急警報トラック運転者の荷役災害が急増中!」(リーフレット)を陸災防として作成したので、各支部で開催予定の大会、会議、研修会等で、会員事業場及びその従業員に広く周知を図ること。

 なお、リーフレットは別途必要部数を送付する予定です。

 

4荷役ガイドラインの周知等

 本年度当協会が厚生労働省から受託した「陸上貨物運送事業の荷役作業における墜落・転落災害防止対策推進事業」における、「陸運事業場に対する荷役ガイドライン周知のための研修会」、「荷主等の事業場の担当者への安全衛生教育講習会」及び「荷主等の事業場に対する安全コンサルタント等による現場安全診断」等を通じ、荷役ガイドラインの周知等を図ることとしている。

 ついては、その円滑な実施についてご配慮をお願いする。

 

5その他の実施

(1)陸運業の荷役災害防止担当者に対する安全衛生教育講習の実施

 荷役ガイドラインで求められている「荷主等の荷役災害防止担当者に対する安全衛生教育」については、本年度の厚生労働省委託事業で実施することとしているが、陸運事業場の荷役災害防止担当者に対する安全衛生教育については、陸災防として実施をすべきものであり、各支部での実施についてご配慮をお願いする。

 

(2)陸運業の荷役作業従事者に対する安全衛生教育の実施

 荷役ガイドラインでは陸運事業者の実施事項として、荷役作業従事者に対する安全衛生教育の実施が求められており、当協会作成の「荷役作業従事者のための安全必携」(平成26年7月作成)を活用した教育が実施されるようご配慮をお願いする。

 

(3)雇入時教育の実施の徹底

 当協会で作成したテキスト「陸運業で働く人のはじめての安全と健康」(平成26年5月改訂)を活用した雇入時教育の支部での実施について配慮をお願いする。

 

(4)荷役災害防止対策の個別事業場に対する支援

 個別事業場に対する安全衛生対策推進の支援は、これまで「特定事業場制度」等により実施をしてきているが、よりその取組を進めるため、特定事業場制度においては安全管理士が参加する集合及び個別支援等の場合には、原則として支部の負担を求めないものとする。

 また、特定事業場制度対象以外の事業場に対する安全管理士等による荷役災害防止対策支援についても積極的に対応するものとする。